〇 仕事の内容
衣類等のアパレル商品は、大きく分けて、大手のアパレルメーカーが自社で生産しているケースと、中小の縫製メーカーから購入しているケースがあります。
そのうち中小の縫製メーカーから購入しているものについては、テキスタイル商社から生地を購入し、その生地を使って、製品を縫製・納品という流れが取れています。
私は、そのテキスタイル商社で生地の提案・販売・生産管理業務を行っておりました。
〇 日々の実務
仕事の内容は、大きく分けて2つです。
一つは、生地の提案です。
縫製メーカーの販売先に合った生地の提案を行います。
その際、競合商社に勝つために新たな生地(デザイン性・独自性の優れた生地)の開発が必要となり、糸や流行の情報収集が必要となります。
もう一つは、生産管理業務です。
アパレル業界の納期は非常にタイトです。
生地の納品が遅れると、縫製メーカーに迷惑をかけてしまいます。
商社は生産設備を有しませんので、編立工場や染色工場と密なコミュニケーションを取りながら、納期遅れを生じさせない納期調整・生産管理が重要な仕事となります。
〇 会社の規模等
私がその仕事に従事した際の従業員数は180名ほどで、同じ事業部内には30名ほどおり、同じ内容の仕事をしている者は10名ほどおりました。
〇 給与
給与は、手取りで月23万円程度でした。
手取りは少なく感じますが、社宅に住み、健康保険、厚生年金等の社会保険も完備されていたため、妥当な金額だと思います。
さらに、営業優秀者には、賞与において沢山支給されるため、努力と成果が給与に反映される給与体系になっていました。
〇 つらかった出来事
中国の安いアパレル製品の輸入により、国内の縫製メーカーが苦戦しており、その結果生地が売れない、売れたとしても大きな発注ではなく、生産ロット(最低限のオーダー料)での受注がほとんどで、営業成績がなかなか伸びないという状況がつらかったです。
〇 楽しかった出来事
やはり自分自身が営業した生地が縫製され、店頭に並んでいるのを見るのは楽しかったです。
どんなに苦戦していても、自分が関わった商品を店頭で見ることができるのは嬉しいことであり、労働の活力となりました。