働く人々。世の中の仕事、実務の現場

世の中の仕事の内容や実務の現場、キャリアパスについて色んな人に聞いてみました。

巨大イベントホールを片っ端から清掃していく体力勝負の仕事の話

私は超巨大イベントホールの清掃及び点検を担う仕事をしていました。ほぼ毎日数万人規模の客入りのあるイベントが行われており、多くの人の出入りがある職場でした。
この仕事を始めたきっかけは、単純にイベントが大好きだったからです。
好きなアーティストのライブ鑑賞のために何度か足を運んだことのある会場であるため親近感があり、自分もそんなところに関わりながら働けたら素晴らしいなと思い立ち、気づいたら応募していました。
イベント会場は巨大なので色々な業者さんが色々な業務を請け負って全体が回っています。私の勤めていた会社はイベント終了後の清掃と点検を担っていました。
具体的な業務は大体決まっていて、
床清掃(モップがけ)?客席清掃(掃き掃除、忘れ物回収、飲食物で汚れた箇所の集中清掃)
という流れです。
これだけ見ると簡単そうに見えるかもしれませんが、何しろ規模が大きいので、いくつもイベントホールがあります。それらのうち使用済みの箇所全てを巡回しなければなりません。
1番ホール清掃?急いで4番ホールに移動、清掃?急いで8番ホールに移動、清掃?………
清掃を請負している業務なので汚れを残すことは当然許されません。速さと正確さ、そして何より体力が求められる仕事でした。??会社は清掃と点検だけを担う小規模なものであり、勤めているのは10人程度。部署は一つだけで、毎回2?3名のチーム編成で清掃を行なっていました。
給料は月15万程度でした。イベント終了後の業務なので出勤が夕方からで、終電の前には退勤できていたことを考えると額は良い方なのかもしれませんが、体力的にきついので働いていたときの正直な気持ちとしてはもっと貰えても良いはずなのになと感じていました。
一番辛かったのは汚れの落とし残しを翌日会場を運営している、要するに請負先から指摘されてしまった時です。清掃業者に任せたのに綺麗になっていない、なんて許されるはずもなく、大変お叱りを受けてしまいました。会社全体の信用に関わることであり、深く反省をいたしました。
逆に楽しかったことといえば、普段興味のないようなイベントの空気に触れられたことです。頻度は高くないですが、イベント開催中も会場内にいくつも設置されたダストボックスのゴミを回収して周る、という業務があります。つまり仕事時間中、イベントの空気にずっと触れていられるのです。
自動車の展示会や新作ゲームの祭典など、自分では出向く発想すら浮かばない世界に触れられるのはとても良い刺激になります。
この仕事はこういったイベントごとが好きかどうかでモチベーションが大きく変わってくると思います。実際の業務はきついものが多いですからね。
もし知り合いでこの仕事に就こうとしている人がいたなら、「催し物が好きならオススメ。でも稼ぎたいだけなら体力的に割に合わないからやめておけ」と言うでしょうね。