働く人々。世の中の仕事、実務の現場

世の中の仕事の内容や実務の現場、キャリアパスについて色んな人に聞いてみました。

単純作業なのに毎日が楽しかったお菓子工場の検品作業

私が就いていた仕事は、とあるお菓子工場のライン作業です。

そこの会社のお菓子が大好きだったので、一度生産現場で働いてみたいと思いアルバイトで応募したところ、社員採用となりました。

ラインに流れてくる製品(お菓子)を仕上げ、検品しながら箱詰めしていく部署です。
ひとつのラインにつき4つないし5つの作業があります。

まず製品を運び入れて仕上げのラインに乗せ、完成したものを目で検品し、金属探知機にかけ、問題がなければ箱詰めをします。

単純作業ですので同じ仕事ばかりでは疲れますが、ローテーションを組んで30分か1時間ごとに違う作業に就けるようになっています。

社員自体は全部で50人くらいですが、派遣も多く、私の部署では今9人が働いていました。
そのうち6人が派遣です。

生産部の部長から指示を受けてその日の作業を決め、直接現場の指揮をとるのは係長でした。

残業はあまりなく、月収はだいたい20万円くらいでした。
残業なしで20万はまずまずだと思います。

食品工場は臭いがきついことがありますが、その製品が好きで入った職場ですので苦にはなりませんでした。

ただ、チョコレートコーティングされたお菓子を扱うことが多かったので、チョコレートを溶かして仕上げる行程のときは部屋そのものがとても暑くなり、しかもお酒入りのチョコレートだったりので、ものすごく気持ちが悪くなったことが一度だけありました。

それでもラインを止めるわけにはいきませんし、吐いてしまったらその場にある製品が全てダメになってしまうため、必死で吐き気をこらえなければなりませんでした。

また、一生懸命に目視して検品をしたにもかかわらず、不良品が入っていたとクレームが来たときは悔しかったです。

それにライン仕事ですので、作業そのものは退屈になることもありました。
ものすごく細かい製品の検品はとても目が疲れるものです。

一方、私の大好きな製品を作っているときはとても幸せでした。
甘くおいしそうな香りに包まれてお仕事できるのです。

新製品ができるたびに製品の味見もさせてもらえました。
この工場からこんなに素敵なものがうまれ、私自身がそれに関わっているのだと思うと誇らしく思えました。

一番楽しかったのは、試作に携わったことです。
一粒チョコレートの上に手作業で細かなトッピングを加えていきます。
非常に細かい作業ですので誰でもできるというわけではなく、緊張しましたが、うまく作ることができました。

とても良い経験でした。

もしも自分の友人が同じ仕事をしたいといったら、一言だけアドバイスをすると思います。
「お菓子に触れられて楽しい仕事だけど、太るよ」
と。